Ayuriオーダーニット
さいたま市で、こぢんまりと編み物教室を開催中の小田島綾美です。
昨日で東日本大震災から10年の月日が経過致しました。尊い命を失われた方々に、謹んで哀悼の意を表しますとともに、被害を受けられた皆様に、心からお見舞いを申し上げます。
このような言葉では、足りないくらい、表せないくらいの大変な事で、多くの悲しみや苦難があり、いまだ先の見えない中で、日常を過ごされている方々がいるという事を忘れることなく、祈りの時をもちたいと思います。
私には、編む事、編む楽しさを伝えることしか出来ませんが、お一人でも、もし喜んでいただける方がいるならば、編みたいし、お伝えできたらと思います。
今はコロナ禍で大変な時、私がそうですが、大変な時は、生きる為に必要最小限のこと以外に心を救われたり、癒されたりするのだとつくづく実感する今日この頃です。編物も今は生活に必須ではないかもしれませんが、癒されたりします。
最近は有難いことに、オーダーニットの仕事のお問い合わせや、依頼も少しづつ、増えております。
先日編み上がり、お客様に送りましたオーダーニットについて書きたいと思います。
リッチモアのカシミヤの糸で編ませて頂きました。
初回はご要望を伺わせて頂き、見積もり致します。自宅サロン最寄りカフェでお会いしております。メールでも行っております。
その後、ゆっくりご検討頂き、オーダーをお受けする場合は、採寸、デザイン、糸、模様、編地の風合いなど相談致します。
今回は40年前にお客様のお母様が家庭編み機で編まれたベストとほぼ同じ寸法をご希望、ベストをお預かりして寸法を細かく測り、今のご要望も反映致しまして製図をかきました。
オーダーニットの仕事は必ず、実物大製図と4分の1の縮尺と両方書きます。
編み図の作成も実物大製図から割り出していきます。グラフから自分で書き、ご要望の寸法にお応えできるよう努めます。
ここまでは神経を使い、細かく、正確に行います。地味ですが、好きな仕事です。
今回はお客様のご要望で編み機で編みました。今は発売しておりませんが、ブラザーさんの太機です。
手編みで編む太い糸も綺麗に編めます。私が使用している太機も昔のものでオダワラミシンサービスさんでメンテナンスしてもらい大切に使用しています。
ここからはいつも通り楽しく編むというのがコツです。家庭編み機も手編みの同様、自分の手の動かす速さが編地に反映されますので、ケージが狂わないよう、いつも通り楽しく編んでおります。
編み上がりましたら、アイロン、しっかりと実物大製図に合わせかけていきます。スチームをあてる量は素材によって変えていきます。
拾い目などの計算をして縁を編みます。今回は長い間、お手製のベストを大切に保管されていたお客様、機械編みと手編みでは仕立て方が違いますので、数年後、部分的に衿、袖ぐり、丈伸ばしとお直しができるように縁はすべて手編みで編ませて頂きました。
引き渡しは自宅サロンか郵送にて承っております。
毎度の事ですが、オーダーニットの仕事は自分で良い出来と思い送らせて頂いても、お客様よりご連絡を頂くまではドキドキです。
今日はオーダー頂きましたお客様より、「色合い、サイズも丁度良いと家族も喜んでおります。大切に、使わせていただきます」と有難いお言葉を頂き、嬉しい私です。
オーダーニットの仕事は、きっとお客様とご縁がなければ、一生編むことはないような、図案を編み込めたり、私にとって嬉しい体験があります。
今回はずっと見てみたかった、昭和の時代に家庭編み機で編み、ミシンで仕立てたベストをお客様のお陰で、見る事ができ感動でした。
手づくりの良さを知って下さっている素敵な紳士の方に出会えて嬉しい仕事でした。
この度はAyuriニットにオーダーを頂きまして、誠にありがとうございました。
今回はお客様の同意のもと、ブログにも制作工程を綴られて頂き、感謝申し上げます。
勿論、秘密厳守で、SNS,ブログで公開なしというお客様も多いですので、安心してご相談下さい。
Ayuriニットは起業した当初は、こどもオーダーニット専門、ママとこどものためのニットサロンとして、はじめましたので、当初はオーダーニットの仕事は、幼稚園のお受験用ベストや、発表会用のニット、子供用のデパートで販売するオリジナルニットのデザイン、制作など、思い出に残るニットとして特別な日に着るという印象があるものを制作させて頂きました。
現在は、お子様のお問い合わせも頂いておりますが、大人の女性、紳士の日常着としてのお問い合わせも頂き、有難い限りです。日常にはニットが沢山溢れているのに、手編みや、家庭編み機で編んだニットの販売や、お召しになっている方は圧倒的に少ない、どうしたら増えるのか、考え、私にできる事をひとつ、ひとつやってみたいと言うのも私の今後の課題、目標です。